加須うどんの特徴
来て、食べて、納得!
加須うどんの特徴は、ピカピカの光沢、みずみずしさ、手打ちならで はのコシの強さとのど越しの良さです。コシの強いうどんを打つため に、季節によっては、塩や水加減、麺の太さを変えたり、「足踏み」や 「寝かせ」に時間をかけるなどの工夫をしています。
つゆなしでそのまま食べても十分に美味しいですが、水洗いした ての冷たいもりうどん”にあっさりとした冷たいつゆで頂くのが基本の 食べ方。これに加え、大葉(青じそ)の香りとごまみそ風味の「冷汁」、 ナスやネギを油で炒めた温かい「なす南蛮」や「ねぎ南蛮」、さらには 「けんちんうどん」「みそ煮込みうどん」など加須独自のメニューも味 わえます。また、第7回埼玉B級ご当地グルメ王決定戦において、『加須市みんなで考えた肉味噌うどん』がグランプリを獲得しました。
各店が創意工夫を凝らして打ち上げた加須うどん。食べ歩きも飽 きることなくご堪能いただけます。
加須の食文化とうどん
「朝まんじゅうに昼うどん(朝食にはまんじゅう、昼食にはうどんを 食べるという意)」と言われるくらい、加須市は小麦食文化が盛んな 地域です。
お米が年貢として供出された昔、米の裏作として作られた大麦を 混ぜた麦飯が主食とされており、農家の人にとってツルツルシコシコ したうどんは、お祭りなどの特別な日に大切なお客さまをもてなすときのご馳走でした。
この名残からか、現在も冠婚葬祭などの締めくく りには、うどんが良く振る舞われています。また、春・秋の彼岸や正月 などに日頃の女性の労苦をねぎらって男性がうどんを打つといった 昔ながらの風習も残されています。
ここ加須市においてうどんは、暮らしの中に深く根付いた非常に 馴染み深い食べ物なのです。
ルーツは、元禄時代
お不動様に残る加須うどんの歴史 埼玉県北東部に位置する加須市周辺では、江戸時代の初め の頃は畑地が多く、小麦の生産が盛んでした。その当時からうど んを食べる習慣が広く定着したと考えられています。
特に、加須うど んには、そのルーツを元禄時代にまでさかのぼることを確認できる 古文書が有るのです。
関東三大不動に数えられる、市内の古刹、不動ヶ岡不動尊總 願寺には、加須名物の『温範粉』を贈られた館林城主からの礼 状が残されています。この古文書には、作成年が書かれてありま せんが城主である松平清武の生没年や總願寺との結びつきなど を詳しく分析した結果、加須うどんの歴史は300年以上にまでさ かのぼることが分かりました。 <さきたま文庫59「玉壽山 總願寺」より>
地域の食文化のルーツが歴史的な史料で明確に確認できる のは、大変珍しいことです。 (元加須市史編集委員坂田英昭)